熊大生と熊本市民によるまちづくり [(仮称)花畑広場イベント?ワークショップ]
夢が現実に…!「くのいす」誕生!

「街中には公園はあるけれど、ゆっくりくつろげる場所がないな、コンビニで買ってきたおにぎりを食べたり出来るような場所がほしいな、と思ったのが企画のきっかけです。そして、ただ作って置くのではなくて、自由に動かせて、いろんなレイアウトが出来るようにしたいと思って、動かせるイスを考えました」と山崎さん。企画採択後は、月に1~2回のワークショップが開かれ、どんなイスを置くのか学生や一般市民によるプロジェクトメンバーと協議し、昨年3月にイベントを実施しました。出来上がったイスは、動かせるように車輪がついていて、「く」の字の形をしています。「『く』の字にしたのは、単体でも、複数でも機能的だからです。」と説明するのは、大学院自然科学研究科建築学専攻の河野志保さん。「内側を向いて座ると、ぐっと距離が近くなって親密な空気が出来ますが、外側を向いて座ると、隣に人が座っていても気にならない距離感が生まれるんです」「『熊本』の『く』の字でもあります」と山崎さんが補足をしました。
専攻、職業、年齢を超えて…刺激を受ける時間

また、林原さんは「そもそも、研究自体、1人で考えることが多いので、こうやって大勢で考えること自体も良い刺激になります」とも話します。社会人との打ち合わせや一般市民との議論の機会も普段ではなかなか得られないもの、「学生時代に経験出来て良かったと思っています」と中島さん。また、河野さんは、ワークショップは「話をまとめる力」「話を引き出す力」を鍛えるトレーニングの場だと話します。「不確定条件の中、議論を進めていかなければならないので、効率よく進めていけるように頑張っています。意見の汲み取り方に気をつけています」。
昨年12月には、(仮称)花畑広場の前提条件の変更に伴って、方向転換が必要となったこともありました。「どうしよう、とすごく悩みました。でも、ワークショップで考えた企画の本来の目的は『モノを作ること』ではなく、『モノづくりを通して広場のことを知ってもらうこと』なので、本来の目的に立ち返って、最大限出来ることを考えました」と河野さんはそのときのことを思い出しながら語ります。「結局、制作するものを変えることになったのですが、ひとつ壁を乗り越えたことは大きな経験になりました」とにっこり。「学生はコスト意識だったり、現実的に甘い部分がたくさんあります。その甘い部分を社会人の方が教えてくださるので、とても勉強になります」。

広場が日常的に使われるように

1月7日に行われたワークショップは、1月30日(土)に開くイベントを、より楽しいものにするための会場レイアウトを話し合いました。議論は白熱、予定時間を30分もオーバーしてしまいました。「このイベントが終わっても市民協働イベントは続くので、もっとこのような活動(取り組み)のこともいろんな人に知ってもらいたいです」と河野さん。昨年度は、社会人の参加者も多く、熊大生以外の大学生もいましたが、今年度はほとんどが熊大生です。「学生以外の一般市民の方に広めていきたいです。今の課題の1つでもあります」。そして、最終ゴールは「広場が日常的に使われるようになることです!」と河野さんは力強く答えました。


(2016年3月30日掲載)
お問い合わせ マーケティング推進部広報戦略ユニット
096-342-3122